アメリカ合衆国 最大の都市=ニューヨークに、イスラム教徒の市長が誕生することになった。ゾーラン・マムダニ氏 34歳だ。ウガンダ生まれ、父親はインド系イスラム教徒、母親はヒンズー教徒だそうだ。

幼少の頃にはアフガニスタンに住んでいたが、25年前に父親の仕事の関係で、アメリカへやって来た。アメリカ同時多発テロを経験し、市在住のイスラム教徒が迫害される事態に巻き込まれた。

それが今や、低所得ユダヤ人等、異教徒の指示も獲得して、迫害されていた側から市長が選出されることになった。四半世紀をかけて、対立から融和へ変化してきた、目に見える証拠では無いだろうか?

選挙期間中、日本のメディアは、トランプ大統領が執拗にマムダニ氏を攻撃(口撃?)するのか、ちゃんと説明してくれなかった。特に、共産主義者だから危険人物だという根拠を、明確にしなかった。

氏の政治信条は、民主社会主義だそうだ。噛み砕いて言えば、民主主義で生じる不平等を、社会主義の原理で是正しようという訳だ。

あれっ?日本にも、そんな政党が無かったっけ?あっ、そうか!今あるのは、社会民主党だ。日本には、一体いくつの◯◯民主党があれば、事足りるのか?我が国の野党にも、対立より融和が必要だと思う。

それはまた別の機会にして、氏の公約は、要約すると、低所得者への支援と高所得者への増税だ。トランプの逆鱗に触れたのは、後者の方だろう。

だからと言って、大統領権限で市への支援を断つというのは、脅迫以外の何物でもない。だが、結果的に、トランプは火に油を注ぐことになった。

トランプの仕事の流儀は、関税政策と同じ構図だ。勝手に関税引き上げを宣言し、相手国が対抗措置で関税を上げると言えば、更に上乗せをするぞと対抗するだけ。

この手法の欠点は、富裕層と貧困層の格差を広げるだけだと言うこと。その象徴的な都市=ニューヨークで、反トランプの狼煙が上がったという訳だ。

アメリカには、白人警官が黒人を不当逮捕⇒致死という事件に象徴されるように、今も白人と黒人の対立(人種差別)が綿々と続いている。そこへ同時多発テロで、ユダヤ人(ユダヤ教)とアラビア人(イスラム教)という、宗教に根ざした新たな差別が生まれた。

だが、今回の市長選では、多くのユダヤ人がイスラム教候補者を支持した。背景にあるのは、貧富の差だ。生活が困窮すれば、信仰の違いで対立している場合ではない。

来年の中間選挙に向けて、トランプにとっては好ましくない状況になってきた。今度、どんな無茶振りをするのだろうか?それが何であれ、かえって不利になる場合があるということが分からないようでは、バカ大統領だ!