インディーズ時代のファースト・ミニアルバムメジャー・デビュー・シングルインディーズ時代のセカンド・ミニアルバム

●冒頭からギャグを一発!すでにご存知の方が多いとは思いますが、念のためはじめにお断りしておきますが、「元」と書いて『はじめ』と読みます。(やっぱスベッたかな?!(>_<))

『元ちとせ』というシンガーのことは、ファースト・ミニ・アルバム(左上)が出る少し前から知っていました。なぜなら、彼女の所属事務所=OFFICE AUGUSTAには、山崎まさよしやスガシカオが所属しているので、メルマガの配信を受けていたからです。
●ただ、はじめ(しつこい?)のうちは完全にシカオ、いや、シカトしてました。(またスベッたか!(^^ゞ)もし、昨年の今頃そのアルバムを聞いていたら、今もシカトしていたかもしれません。幸か不幸か、所属事務所が製作したミニ・アルバムは当初通販をメインに販売されていたため、長らく試聴する機会にすら恵まれませんでした。

●状況が変わってきたのは、やはり今年になってメジャー・デビュー(中央)を果たしてからではないでしょうか?レコード会社の強力なプッシュで、多くのFM局でパワープレイ扱いになり、多くのCDショップの店頭でも目立つ場所にディスプレイされるようになり、平行してインストア・ライブの全国行脚を展開し、・・・・デビュー・シングル『ワダツミの木』はオリコンのウィークリー・チャートでとうとう2位まで上り詰めました。
●CDショップへ行く度にデビュー曲を耳にするようになって、いつの間にか彼女の歌声のトリコになってしまいました。近所のCDショップにも件のミニ・アルバムが1・2揃って陳列されるようになったので、ようやく最近購入しました。

◆水色を基調としたファーストは、「元」の一歩ということで取っ付き易い選曲です。つまり、全てカバー曲です。特に洋楽のカバー曲には興味を惹かれましたが、十分にコナレタ歌唱とは言い難い印象でした。いずれもオリジナルを(曲によっては他のアーティストのカバーも)知っているからこそ、そう感じたのかもしれません。
◆冒頭のシュガーキューブスの曲は、ビョークの歌い方を手本に無難にこなしていて、まずまずの出来。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの曲も、オリジナルの「呟き唱法」に対して、メロディに則した素直な歌唱で好感触。ちょうどボブ・ディランの曲を分り易く聞かせてくれたバーズのような感じ。だが、ジミ・ヘンとキャロ・キンのカバーは、スタッフの思惑にのせられて歌ってみただけといった感じでした。特に後者は、自ら買って出てギター伴奏をつけている山崎まさよしに歌って欲しいとまで思ってしまいました。
◆このアルバムは、2曲の日本語曲に救われているように感じました。さりげなく奄美の島唄の節回しを取り入れて歌う山崎まさよし提供曲は、ベスト・トラックだと思います。あがた森魚の方はオリジナルが馴染み薄い分、先入観なしに聞けましたが、キャロ・キン同様に曲そのものの完成度が高いため、独特の唱法を活かせる場面が少ない気がしました。

★セカンド・ミニ・アルバム(左上)は一転して情熱的なジャケットですが、サンバのような激しいリズムは飛び出してきませんでした(笑)。アルバム全体の印象は、サンサンと降り注ぐ南国の陽光の下、木陰か縁側で暑さにまどろみながら聞いてみたいといったところでしょうか。
★彼女の故郷、奄美の太陽はこんなイメージなのかなと、勝手に思いを馳せながら聞き始めたら、冒頭の一曲だけで即座にKOされてしまいました。まるで炎天下の屋外に飛び出して、刺すような日差しに意識だけが妙にハッキリしているといった状況を、音で表現したような印象でした。水を得た魚のように瑞々しい歌唱は、前作の洋楽カバーでは全く発揮されていなかったことを改めて確信しました。
★作詞に挑戦した3曲では、間宮 工のツボを押えたアレンジが、抑揚の効いたボーカルを一層引き立てています。特に『精霊』は出色の出来です。この曲で掴んだ成果は、残りの2曲を書き下ろしたレピッシュの上田 現の手によって、更なる高みへ・・・・それがメジャー・デビュー曲の『ワダツミの木』というわけです。

●5月にはセカンド・シングルやの新作に収録された曲など、早くも次の展開が待っています。さらにその先には、フル・アルバムやコンサートが・・・・大いに期待されるわけです。