昨年の秋に本作の予告編を兼ねた2枚組エンハンスド仕様のベスト盤が出たFleetwood Mac。ついにその全貌が明らかになりました。残念ながら、かねてからの「噂」通り、6年前のMTVライブで実現した70年代後半の全盛期のパーソネルから、Christine McVieが抜けてしまいました。また、オリジナル・スタジオ録音盤としては“Tango In The Night” 以来16年振りで、Lindsey Buckinghamが復帰したアルバムとなりました。本作はLindsey Buckinghamがプロデュースにも関わっているので、16年前のアルバムの延長上にある作品に仕上がっています。

出所不明の情報によれば、当初Stevie Nicksがリード・ボーカルを取るアルバム・タイトル曲が、リードオフ・シングル候補だったらしいのですが、時節柄か“Peacekeeper”が第一弾シングルとなりました。しかも、この曲、現在のところ、アメリカではダウンロード販売しかされていません。未確認ですが、どうやらBillboard誌にランクインした最初の『デジタル・シングル』のようです。

実は、マック・サウンドの基調を担っていたソングライターでボーカリストのChristine McVieが、チョットだけ参加しているのですが、ほとんど存在感が無いのが寂しい限りです。しかし、LindseyとStevieの二人で18曲76分という“Tusk” (1979年当時LP2枚組で発売)並みのタスクをこなしています。ソングライターを一人欠いてもこれだけ多彩な曲を揃えられるのは大したものだと思いますが、食の細くなった中年男には食べ切れないほどの大盛という感じです。嬉しい悲鳴というか、贅沢な悩みというか、・・・・彼等の意気込みの凄さに圧倒されてしまいました。そういう風に解釈すると、あのアルバム・ジャケット()は、レコーディングに疲れ果てたメンバーの雑魚寝に見えてきませんか?(笑)

Fleetwood Mac Personnel Photo音だけでも飽食気味なCDなのに、エンハンスド仕様になっています。一体どんなデザートが用意されているのかと思ったら、ウェブサイトへのリンクだけのようです。問題はそのリンク先なんですが、アーティストやレコード会社の公式サイトへの月並みなリンク以外に、特設サイトへのリンク(Fleetwood Mac Extras)があって、チョットしたデザートが用意されていました。インターネットでスムーズにコンテンツを楽しむにはブロードバンド環境が必須ですが、2枚組限定盤ならボーナス・ディスクに大半の映像が収録されています。別表にまとめてみましたので、興味のある方はご覧下さい。

ところで、彼らは5/7のオハイオ州コロンバス公演を皮切りに全米ツアーをスタートしました。何でもサポート・ミュージシャンが7人も同行する大所帯らしいです。秋にはヨーロッパ、来年には日本を含むアジア・オセアニアと踏んでいるのですが、果たして私の予想は当たるのでしょうか?来るなら是非行きたいのですが、そうなると私の場合「タスク・ツアー」以来24年振りってことになります!(驚)