全焼した音楽ペンションsunhero@eclatの瓦礫の中から見つけたレシピー第九弾!◆

originally uploaded on October 26,2003


YES 初来日から30年、メンバーの目まぐるしい変動を経て、ついに30年前と全く同じメンツで“YES”は来日しました。 だから、ああいうツアー・タイトルなんでしょうね、きっと。流石に当時は、まだ洋楽を聞き始めたばかりだったため、私は体験していません。 ホントだよ!! 先月の特集の通りなんだから~!(私、何でこんなに意地になっているんだろう?)

悲しい哉、私のYESライブ初体験は初来日から15年後の2度目の来日公演でした。つまり、通称“90125YES”と呼ばれる「ロンリー・ハート」の全米ナンバーワンヒットを放ったメンツによるものでした。こちらが『本家』なら、ABWHは『元祖』ということになるのでしょうか?『本家』だけでは片手落ち、というか、正直言って物足りなかったので、『元祖』の来日公演にも足を運び、挙句の果てに『本家』+『元祖』による“8-man YES”(8人イエス、欧米でもこう呼ぶのかな?) にも行きました。

もうこれで十分だと思っていたのですが、キーボード不在のままアルバムを作ってしまった“YES”にRick Wakemanが復帰したという 情報を聞き付け、程なくしてUDOさんから来日情報。30年前を知らない私(クドイ?笑)でしたが、大枚叩いてチケット買ったら、メンバーの 怪我による延期!気長に7ヶ月待ちましたわ。(苦笑)


そうそう、本題に入る前に言っておきますが、“YES”って何?みたいな方はモチロン、彼等の音楽を「ロンリー・ハート」位しか 知らない方は、これ以上読み進んでも面白くないと思います。後悔覚悟で続きを読まれるも良し、次回のトピックに期待(?)して他のサイトへ 移動されるも良し。でも、つまらなかったからと言って、決して文句は言わないで下さいね。逆に“YES”の音楽に興味を持たれたなら、レンタルでいいから「こわれもの」や「危機」を聞いてみて下さい。今回の来日公演の核を成していたアルバムですから。

それから、もう一言!ライブ・レポートの掲載までにこんなに時間がかかってしまったのは、当日のセットリスト情報を探していたからです。苦肉の策として、この場で情報を公募したほど苦労しました。数日後、最近は忙しくてHPの更新が緩やかな fumi_tanさんから、当日のセットリスト情報をお寄せ頂きました。セットリストが分からないままだったら、このライブ・レポートはパスするつもりでした。この場で厚く御礼申し上げます。fumi_tanさん、HPの本格再始動、楽しみに待ってま~す。

== YES - The Full Circle Tour in Japan ==
 Setlist from the Performance on September 14,2003
 at Hall A of Tokyo International Forum

First Set~Opening BGM : Excerpts from Stravinsky’s “Firebird Suite”
 1.Siberian Khatru
 2.Magnification
 3.Don't Kill The Whale
 4.In The Process Of
 5.We Have Heaven
 6.South Side Of The Sky
 7.And You And I
 8.To Be Over (Guitar Solo by Steve Howe)
 9.Clap (Guitar Solo by Steve Howe)
    <15-minute intermission>
Second Set~Opening BGM : Excerpts from a famous cartoon theme,etc.
10.Show Me
11.Wakeman Medley (Keyboard Solo by Rick Wakeman)
12.Heart Of The Sunrise
13.Long Distance Runaround
14.White Fish Medley (Duo by Chris Squire & Alan White)
15.Awaken
Encore
16.I've Seen All Good People
17.Roundabout (edit)

収録アルバム一覧:
* The Yes Album (1971): 9、16
* Fragile (1971): 5、6、12、13、14(Fish)、17
* Close To The Edge (1972): 1、7
* Relayer (1974): 8
* Going For The One (1977): 15
* Tormato (1978): 3、14(On The Silent Wings Of Freedom)
* Drama (1980): 14(Tempus Fugit)
* Magnification (2001): 2、4

※ 11曲目と14曲目は、私が勝手に付けた仮題です
  11曲目は、「ヘンリー8世」をはじめとしたRick Wakemanの代表曲のメドレー
  14曲目の内容は、Fish~Tempus Fugit~On The Silent Wings Of Freedom~Fish

開演を告げるBGMは30年前と同じ曲だそうです。当時を知るファンは一気にタイムスリップしてしまった気分ではなかったかと思いますが、 私は誰の何という曲だったか必死に思い出そうともがいてました(笑)。そして、当時を知るファンの期待を裏切ることなく、1曲目も30年前と 同じだそうです。当時を知らない私でさえ、アルバム「危機」の中で最も危機感(ハイ・テンション)のある曲としてお気に入りなので、大感激でした。

続く3曲は、30年前には演奏されたはずのない曲ばかりですが、捕鯨国日本で3曲目を演奏した真意が知りたいですね。ただし、2曲目から間髪をいれずに演奏されたため、fumi_tanさんから情報をもらうまで気付きませんでした(恥)。ちなみに、今のところ最新オリジナル・アルバムである「マグニフィケイション」からの2曲は、アルバムではオーケストラによる演奏だったパートが Rick Wakemanの荘厳なキーボードに代わっているため、かなり印象が違うはずです。アルバムは未聴なので、比較した感想は述べられません。悪しからず。

さて、Jon Andersonが馴染みの薄い曲にも耳を傾けてくれてありがと~みたいなことを言ったあと、部屋を出て行く足音をおどけたジェスチャーで見せてくれた小曲へ。 第二部の冒頭でも、日本のファンの皆さんのために練習しましたぁ~と言って「チューリップ」を弾き語り、観客の失笑(?)を買ってました。 結構三枚目キャラみたいです。

話を元に戻して、その小曲から予想通りアルバム同様の展開で次曲へ。さらに追い討ちを掛けるかの如く「同志」までやってくれちゃって、 もうどうし ようもなく嬉しかったです。(ああ、Jon Andersonのような低レベルのギャグでしたね。(^^ゞ)

続くSteve Howeのソロ・パートには一抹の不安がありました。だって、彼のギター、アンサンブルが決まらないと台無しになる大曲で、 しばしば演奏が怪しくなる場面があったからです。ところが、ソロとなると俄然輝きを増すんですねぇ。少々テンポがおかしくても、故意なのか、 衰えてきたのか、ソロだから分からないじゃないですか。特に8曲目は、アルバムではバンド演奏による大曲でしたから、ギターのみの演奏は新鮮 でした。いや、正直に言うと、これもfumi_tanさんからの情報で、やっと曲を思い出した始末でして・・・・(^_^;)でへ!

第二部は先にも触れた通り、Jon Andersonの余興で幕を開けました。「さくら、さくら」や「ゾウさん」で慣らされていたはずですが、 今回だけはやらないで欲しかったと言うのが正直な気持ちです。でも、次の曲は良かったです。ほとんど彼のハープ・ギター(ギター・ハープが 正しいのかな?)だけで演奏された“Show Me”って、一体どのアルバムに収録されているんでしょうか?ソロ・アルバムなのかな?

続いてRick Wakemanの圧倒的なソロ。次々に演奏されるのは代表曲ばかりだったようですが、彼のソロ・アルバムまでは聞いたことないし、 あちこち調べたけど、どういう曲をやったのかは不明です。

いよいよコンサートも佳境ということだったのか、「こわれもの」から連続してやってくれました。特に圧巻だったのは、Chris SquireとAlan Whiteによる息もピッタリのデュオ演奏。 元々はChris Squireのソロ曲だった“Fish”にAlan Whiteが絡むようになったので、“White Fish”とかって呼ばれるようになったらしいです。 しっかりリハしたのか、照明の演出とも見事にシンクロして、ライブならではの見せ場でした。

しかし、本当のクライマックスは何と言っても“Awaken”。静と動のコントラストが美しい大曲中の大曲ですが、中盤のRick Wakemanの チャーチ・オルガンのパートは長尺過ぎて眠くなる人も居たりして?でも、私はこの曲でドップリYes Musicに漬かった気分になります。

さて、アンコールはお決まりの2曲でしたが、翌日以降は「オール・グッド・ピープル」が「ロンリー・ハート」に差し替えられたそうです。 そっちの方が観客の受けが良かったんでしょうか?欧米では会場中が大合唱になる曲なので、一生懸命サビのフレーズを歌ったのになあ~。 皆、立ち上がって手拍子はするんだけど、歌ってる人は少なかった感じだもんなあ~。

「ラウンドアバウト」もせっかくSteve Howeなのに、“90125YES”の時と同様にイントロのギター・ソロを省略したエディット・バージョン。 しかも、中盤のインスト・パートまでコンパクトにされてしまったショート・バージョン。既に開演から2時間半も経過していたから、 短くも度派手に盛り上げて、その余韻を引き摺ったままお帰り頂こうという意図だったのかもしれません。でも、私的にはやはり不満でした。

レパートリーの多くが5分を(時には10分も)軽く超える大曲であるため、あれだけでも2時間半以上になってしまうのが、“YES”の コンサートの特徴です。願わくばメンバーのソロは全部排して、私の好きな曲をもっとやってほしかったです。例えば、“Close To The Edge”とか “Yours Is No Disgrace”とか、変ったところでは“Going For The One”なんかも聞きたかったですぅ。