ケリー・チャン 2004年新譜の第二版数々のCM出演や映画「冷静と情熱のあいだ」で、香港の女優の中でも日本で抜群の知名度を誇る陳慧琳(ケリー・チャン)。日本でも結構CDが出ているのをご存知でしょうか?2年半くらい前には、前述の映画のヒットを受けて、日本語アルバム「GRACE」をリリースしたほどです。香港では年に2枚くらいのペースで、オリジナル・アルバムをリリースしているので、何枚か買い損ねているのですが、今年最初の(ひょっとしたら今年最後の)オリジナル・アルバムを買いました。

前述の梁詠琪(ジジ・リョン)のアルバム紹介でも触れたYesAsiaのキャンペーンの様子伺いをしていたら、本作の第一版があっという間に廃盤になってしまいました。また買いそびれたか?と思う間も無く、第二版が登場しました。ジャケットがモノクロ写真からカラー・イラストに変わったように、中身も増補改訂されました。

まずCDの方ですが、いきなり冒頭に新曲が追加収録された上、Cyndi Lauperの“True Colors”の英語カバーまで追加されました。一方、VCDの方はもっと凄いことになってます。1st Editionではビデオ・クリップが2曲だけだったのに、さらに5曲+メイキング映像が追加されました。これでは例のキャンペーンに釣られて1st Editionを買ってしまったファンに失礼すぎます。定価で買ってしまったら尚更ですよね(建前)。あのとき、キャンペーンの要件を満たす「もう一枚」が決まらなくてヨカッタ~(本音)。

さて、肝心の音楽ですが、長らく前半はユーロビート、後半はバラードというのが、ケリーのアルバムの常套パターンでしたが、いきなりバラード二連発です。相変わらず打ち込みも使ってますが、流石にユーロビート調はなくなり、ミディアム~アップテンポでもチャイニーズなメロディが際立つ作風です。いきなりこのアルバムから入門すると在り来りな構成にしか思えないでしょうが、常套パターンに馴らされてしまった耳にはとても新鮮です。

王菲(フェイ・ウォン)のアルバムでよくあることですが、4曲目と13曲目、10曲目と15曲目はそれぞれ同じ演奏をバックに、前者は広東語、後者は北京語で歌っています。その4曲目と13曲目ですが、曲中の効果音はVCDに収録されているビデオ・クリップを見れば、なるほど~とタネが分る仕組みです。わざわざ歌詞だけ違う形で、ビデオも2バージョン納められています。

刺客に扮したケリーが、香港の街中で携帯電話で操られている悪党どもを刀で次々に斬り倒していくという筋立てです。どこかコミカルなのは、この手の中国映画によくある特徴ですが、ケリーになら斬られてもいい~と思えるほど殺陣がバッチリ決まっています(笑)。そういえば、ケリ-のアクション物って意外に珍しくありませんか?

メイキング映像はこのビデオ・クリップのものです。撮影の合間にカメラに向かってベラベラ喋り捲ってます。一体何を喋っているのでしょうか?早口過ぎて分りません・・・・否、ゆっくり話されても理解できません(笑)。ドラマの中のケリーは、大抵スタイリッシュなイイ女というイメージですが、実態は早口お喋り女のようです。